日本と違う?セブ島の「街中」で見るコロナウイルス対策の徹底さ

世界で蔓延中の新型コロナウイルス

世界中に広がっている新型コロナウイルス感染症。

2020年4月17日(金)時点では、感染者数が世界で200万人を突破し、死者数は13万3000人を超えるほどの規模にまで拡大しています。病院の診療所などの医療機関には患者が殺到し、受入体制にも限界が見えつつ中で、コロナウイルスに対する新薬の開発が急がれます。

フィリピンではコロナウイルスの感染拡大に伴って、世界でもいち早く強固なコロナウイルス対策を打ち出した国の1つ。

ドゥテルテ大統領の迅速な指揮系統のもと、3月中旬からロックダウンや入国禁止などの、強力な予防策がいくつも発令されています。ルールを守らなかった者に関しては、警察や軍の権力を行使し、拘束や罰金、投獄などの思い罰則が与えられます。

もちろんアクトハウスでもアルコール設置やマスク、消毒用ハンドソープの配布など参加者の感染リスクを最大限に減らすための対策を実施しています。

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外出許可時間での買い物時に合わせて調査

徹底的なフィリピンでの予防策の中、フィリピン・セブ島に3年ほど在住しているスタッフが、セブ島で実施されている「コロナウイルス対策」についてまとめてみました。

なおセブ島は現在、食料品や日用品の買出しや病院以外への外出は禁止されています。今回は、食料品の買出しのため、外出許可時間を利用して外出した時に、道すがら調べてきた一部地域での対策を公開します。買出しに行く途中のエリアでの調査になりますことをあらかじめご了承ください。

なお、当記事の筆者でなく、他のアクトハウススタッフが「ECQ(Enhanced Community Quarantine:強化されたコミュニティ隔離措置)という段階的なロックダウンが敷かれる中、食料を購入するため外出した際のレポート記事はこちら。

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セブ島の街中で見かけるコロナウイルス対策

まずは、コンビニでの場面。ロックダウン中でもコンビニ自体は食料品や日用品の購入のためにオープンしています。感染を予防するための対策は下記の通り、各所に施されていました。

 

❶レジ前に透明のビニールカーテンで仕切り、お客様と店員との飛沫感染、接触感染を防ぐ

❷店員・およびお客様は全員マスクの着用が義務化

❸出口に消毒用ハンドソープやアルコール消毒液の設置

❹酒・ワイン類などのアルコールの販売・購入禁止

❺お客に接する際には、1mのソーシャルディスタンシングを適用

 

コロナウイルスに感染する経路は「接触感染または「飛沫感染」の2種類と考えられてます。その2つの感染経路を防ぐために、アルコールの常備や一定距離の確保などの対策が取られています。❶は、現状では日本のコンビニ等でも見かけますが、フィリピンでは日本が実施する数週間前から、すでに多くのコンビニで実施されていました。

コンビニに入ったのはお昼の12時ごろですが、お客さんはまばら。食料品や飲料水、トイレットペーパーやお菓子なども品薄になることなく陳列されていました。ただしアルコールの販売は、飲み会や集会などを誘発するために販売・購入が禁止。そのため品物は陳列してありますが、陳列棚には「アルコール類の購入禁止」を示す張り紙が貼ってあります。

スーパーマーケット

続いて地元民がよく利用する近くのスーパーマーケットに。コンビニ同様の予防策のほか、購入制限などの独自の予防対策も実施されています。

 

❶食料品や必需品の購入制限(お一人様〇〇個まで等)

❷店員・およびお客は全員マスクの着用が義務化され、お客に接する際、行列での待機の際には1mのソーシャルディスタンシングを適用

❸出口に消毒用ハンドソープやアルコール消毒液の設置

❹酒・ワイン類などのアルコールの販売・購入禁止

 

購入品の制限に関しては、必需品や食料品などの重要項目を中心に購入制限されているそうです。各棚には張り紙が貼られており、各項目における購入限度個数などが表示されています。

下記に具体例として、筆者が実際に買い出しのために入店したスーパーマーケットでの購入制限対象の品物をご紹介します。

■消毒用アルコール液

■ハンドソープ

■シャンプー・ボディソープ類

■トイレットペーパー

■フェイスマスク

■インスタントヌードル類

■魚・お肉・飲料等の缶詰

■飲料水・ミネラルウォーター

■コーヒーパウダー、牛乳パウダー等

購入制限がかかっているものは、長期保存の可能な食料品や予防対策グッズ、生活必需品など、どれも生活に欠かせない貴重品です。ただし現時点では「買い占め」などは一切発生しておらず、上記の一覧ほとんどの品物が在庫も十分にある状態です。(一部マスクやアルコールなどは品薄状態)

大通りでは警察による検疫所も設置

別地区へ続く道路や、交通量が多い大通りでは、警察や軍による検疫所を設けて、通行人や運転手への検疫を実施しています。

車両用の道路、歩行者用の歩道の両方に、それぞれ検疫所が設置してあり、24時間体制で警察や軍がチェック。通行するには身分証明証となるIDと外出許可ID(セブ州発行)が必要となります。検疫では、体温チェックの実施に加えて、電話番号や氏名の記入を求められる場合もあります。場所によって検疫のやり方も違いがあるようです。

外出制限の実施

各家庭、各建物ごとに外出できる人数を制限。可能な限り街中で活動する人数を少なくすることで飛沫感染、接触感染による感染拡大リスクを減らす対策が取られています。ただし病院等の緊急時の外出、または買い出しを行う際の外出は認められてます。

外出する際はセブ州より発行された「外出用ID」を携帯する義務があり、各家庭で1枚、各マンションで数枚程度と配分枚数も限定されています。筆者は、住まいであるコンドミニアム内の事務所にて外出用IDを受け取ることができました。そして外出する際も「マスク着用」は義務となっており、マスクをしていないとスーパーや食料品店にも入ることができません。

厳しい予防策にはなりますが、この「厳しさ」こそが、フィリピン国内での感染者数を抑えられている1つの大きな要因です。

セブ島でのコロナ予防策の「徹底さ」

建物内も街中もいたるところで、厳しいコロナウイルス予防策が実行されているセブ島。

日本での自粛対策とは打って代わり、フィリピンでの対策はかなり迅速で力強いもの。ルールにとらわれずに楽しく生きることがモットーのフィリピン人には辛い環境かもしれませんが、だからこそ強力な対策を打ち出すことは、フィリピン全体のコントロールを得るのに効果的という見方もできます。これからどのような対策が出てくるのか、引き続き動向を見守っていきます。

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