前回の【前編】に続き、アートアンドサイエンス講座(旧デザイン講座)メンター・髙橋さんにお話を伺いました。
今回のテーマは「AI時代のデザイン学習法」です。
AIが瞬時に美しい画像を生成できる今、プロを目指す学習者は何を武器にすべきか。現場の最前線に立つ髙橋さんが語ったのは、ツールの使いこなし方ではありませんでした。
泥臭く、でも着実に「本質を見極める思考の型」についてのお話です。
上の動画にてインタビューは見れますが、以下からはテキストにても概要を解説していきます。
見た目に騙されるな。問うべきは「プロセス」
デザインを学び始めると、どうしても「完成された綺麗な画面」に目が向きがちです。でも髙橋さんは、現場で本当に問われるのは「そこにたどり着くまでの思考の跡」だと断言します。
なぜこの写真なのか。なぜこの書体なのか。優れたデザインの裏側には、必ず「理由」があります。それを読み解く力が、実務では求められます。
感覚だけで作ったものは、課題を何一つ解決していません。数値を根拠に持ち、「どうすれば問題を解決できるか」という問いに向き合う——その先にこそ、本物のデザインが存在する。髙橋さんの言葉には、何度もそのことが滲んでいました。
AIは「作る」ためではなく、「説得力」のために使う
では、ChatGPTやClaudeといったAIを、現場のプロはどう使っているのか。
髙橋さんの答えはシンプルでした。「見た目を作らせるんじゃなくて、裏側の情報を得るために使うんです」。
たとえば未経験の業界——ファッションブランドのデザイン案件を想定してみてください。AIを使ってその業界のマーケティングデータやトレンドをリサーチし、リアルな裏付けを手に入れる。データに支えられて初めて、クライアントを動かせる説得力が生まれます。
もちろん制作の現場でも活用しています。Adobe Fireflyを使えば、写真の背景を自然に広げたり、不要な要素を消したりといった作業がスムーズになる。これまで手を動かし続けていた部分をAIに任せることで、考えることに時間を使えるようになる——それが今の使い方です。
現場が求めるのは、本質を見抜く「お医者さん」
クライアントからの依頼は、いつも明確とは限りません。「集客がうまくいかない」「もっと知ってもらいたい」——現場に届くのは、大抵そういったざっくりとした相談です。
髙橋さんはここで、一つのたとえを使います。
「お医者さんと同じだと思うんです」
「咳が出てるから風邪でしょ」と決めつけて薬を出す医者に、患者は信頼を置きません。それと同じで、「SNS広告を打てばいいですよ」と安易に提案するだけでは、クライアントの本当のパートナーにはなれない。
本当はどこに原因があるのか。リサーチで検査し、その人に最適な処方箋を出す。この「問題を見つける力」こそが、AIには代替できないプロの価値だと髙橋さんは言います。
挑戦の先にしか、新しい自分はいない
「フリーランスは不安定な面もあります。でも、自分で自分の道を作っている感覚と、やりがいは本物です」
前編でも語られていた、トライアンドエラーを繰り返してきた人間ならではの言葉の重さが、ここにも宿っていました。
現場で参加者たちを見ていると、逃げ場のない環境に向き合いながら、確実に「プロの顔」へと変わっていく瞬間があります。スキルが身についた、というより、ものごとへの向き合い方が変わる——そういう変化です。
ITを「ビジネス×テック」と定義しているセブ島のアクトハウスでは、AIを操るLogic Prompt(旧プログラミング講座)や今回のArt&Science(旧デザイン講座)の日本人メンターさんが常駐しています。 新しい時代のオルタナティブスクール、アクトハウスに興味がある方は下のリンクから公式サイトへどうぞ。