
2026年1月17日、1月18日にかけて、フィリピン最大級のフェスティバル「シヌログ祭り」がセブ島にて開催されました。
この祭りの約1ヶ月ほど前、とあるアクトハウスメンバーの一人が「シヌログ祭りでビジネスをやってみたい」と突然口にしました。
この発言が発端となり、私達は“普通の参加者”としてではなく“祭りの当事者”としての険しい道を歩むこととなります…
「おにぎり」って売れる?具はどうするの?

(フィリピン人のみの路面店の並びで、自力で出店した「日本人シヌログ屋台」の様子)
最初に着想したのが“おにぎり”。
特に深く考えたわけではない、最初の思いつきです。日本文化に関わるものをセブ島で、という思いからでした。
しかし、おにぎりを売るための様々な“壁”が存在していることに気が付きます。
おにぎりは売れるのか?
私達が最初に直面した問題、それは「祭りの大多数を占めるフィリピン人へ”おにぎり”は売れるのか?」ということでした。
日本人とは切っても切り離せない食べ物である“おにぎり”。
これはフィリピンにおいて、全くメジャーな食べ物ではありません。
フィリピンでは”Tuslob buwa(トゥスロブ・ブワ)”と呼ばれる”豚の脳みそ”を食べることが出来ます。
豚の脳みそと聞いて、うげぇと思ったかもしれませんが、脳みそ感は一切なく、やみつきになる美味しさです。
それにディップする形で一緒にいただくのが”Puso(プソ)”です。
これは笹の葉のような葉っぱでご飯を包んだ料理で、食べる際はその葉っぱを剥がして、Tuslob buwaにディップします。
フィリピンの料理の中では比較的、日本の”おにぎり”を連想させるものではありますが、
これはフィリピン人にとって“おにぎり”とは全く別のものです。
現地飲食店日本人オーナーからの助言
「だからこそ、珍しい食べ物である”おにぎり”は売れるのでは?」と思った方もいるでしょう。
残念ながら現実は厳しいのです。
おにぎりをフィリピン人に受け入れてもらうためには最低でも2つの”課題”を乗り越えなえればなりません。
以下は市場調査も兼ねてセブシティ・ITパークの入口付近のナイトマーケットを訪ねた際、マーケット内唯一の日本食屋台「日本食たけちゃん」の日本人オーナーから頂いた助言です。
- おにぎりには大抵“海苔”が巻かれているが、フィリピン人にとって“ただの海藻”である海苔が外に見えている状態は気持ちが悪い。
- おにぎりの具に関して、日本でメジャーな“梅”や“昆布”といったものは受け入れられにくい。
②への改善案として「本当におにぎりを売るとしたら、“唐揚げ”などの味の濃いものにした方が良い。」とのアドバイスも受けました。
そのため、早々におにぎりを屋台のメニューにすることを断念。
屋台をする場所は?
先に述べた通り、私達はまず最初に“市場調査”から着手しました。
具体的にそして簡潔に述べるとしたら、“聞き込み”を行ったのです。
それも一人一人に手当たり次第で尋ねるのではなく“数珠つなぎ形式”で答えを求めていきました。
一人に聞いて、その人が答えを知らなかったら知っていそうな次の人を教えてもらう、その次の人もダメだったらまた別の人…というように、とにかく聞き続けたのです。
その結果、シヌログ祭りはOsmeña fuente circle(オスメニャ・フエンテ・サークル)という場所が最も人が集まる場所であり、そこでは屋台が数多く出店するという情報を得ることができました。
そして情報を得たその日のうちに、私達は現場へと急行しました。
この投稿をInstagramで見る
調査は難航しつつも、フィリピン人の優しさに触れる
ITパークからOsmeña fuente circle(オスメニャ・フエンテ・サークル)までは 3キロほど離れていたためグラブタクシーを呼んで向かいました。そのときは既に夕方6時を回っていたので、発案者であるメンバーと私は疲れてヘトヘトでした。
そんな状態で向かったOsmeña fuente circleという場所は、車の往来が激しいラウンドアバウト、すなわち環状交差点でした。
その交差点の中心部にサークル状に柵で仕切られた公園があり、更にその公園内には数多の屋台が設置されていました。
その中の一つの屋台のスタッフに「ここで出店することは可能か?」ということをダイレクトに尋ねたところ「この公園内の屋台を取り仕切っているオーナーに話を聞いてみると良い、今日はいないから明日また来て」と言われたため、調査は一旦ストップ。
しかしながら、その屋台スタッフは「私があなたたちをオーナーへ紹介するわ」と笑顔で対応してくれて、フィリピン滞在歴がそこそこの私ではありますが、フィリピン人の暖かさ、優しさを改めて感じることができました。
翌日指定された時間にもう一度Osmeña fuente circleへ。
前日に応対してくれた屋台スタッフはいましたが、どうやらオーナーは居ない様子。
「予定通りに物事が運ぶことは少ない」というフィリピンあるあるを痛感しつつ、気を落とさずにそのスタッフが知っている情報を聞くことに。
私達が得た情報は2つ。
- このエリアの屋台スペースは1ヶ月 23000ペソで借りることができる。
- このエリアの近くに別の屋台スペースがあり、そちらの方がスペース代が安い。
正直に言ってOsmeña fuente circleの23000ペソというスペース代は私達にとっては高すぎました。
仮にオーナーと直接話ができたとしてもこのエリアで屋台を開くことはなかったでしょう。
最後の望みをかけて、紹介された別の屋台スペースへ行くことに。
ついに発見、理想の屋台スペース

(シヌログ屋台の初日の夜。手探りの連続、学び多き1日目だった)
翌日、Osmeña fuente circleから歩いて数分の”Sugubo Sentoro(スグボ・セントロ)”というフードマーケットへ。
前日情報を提供してくれた屋台スタッフの人がこのマーケットのオーナーと繋いでくれており、スムーズにオーナーと会うことができました。
そこでどのスペースをいくらで借りることができるのかを聞きました。
オーナーからは
- 1ヶ月間からしか貸すことができない。
- このエリアの隣にある駐車場をシヌログの期間だけ屋台スペースにする予定。
とのことでしたので、Sugubo Sentoro(スグボ・セントロ)内での出店は見送り、隣りにある“駐車場”での出店を検討。
現場はすぐ近くなので、私達はその駐車場へ向かいました。
本当にザ・駐車場という感じではありましたが、祭りの中心部であるOsmeña fuente circleからとても近く充分に戦える場所だと判断しました。
そして、3日間で10000ペソと私達がギリギリ出せる額を提示されたため最初の候補地として決定。
ようやく1つ目を発見しました。
一応、もう一案も視察へ
またオーナーはもう1エリア、別の場所の貸出も行っているとのことでしたので、その場所がある“コロンマーケット”へ行くことになりました。
“コロン”と聞き、一瞬身構えてしまいました。
コロンといえば、セブの中でも特に治安が悪く、ローカルの人でも行くのを躊躇うことがある場所です。
しかしながら今回の場所はマーケット内、しかもシヌログ期間中のみであれば安全性に問題はあまりないのではないかと思い、とりあえず視察へ赴くことに。
視察の結果ですが、「そこまで悪くなさそう」というのがまず感じたことです。
というのも事前にリサーチしていたよりもマーケット内の空気が明るく、治安の悪い場所特有のどんよりとした雰囲気を全く感じなかったからです。
そして、なんと貸出料金が「3日間で5000ペソ」という破格ぶり。
私個人としてはコロンが第1候補と感じました。
しかし、今回共に屋台を企画したメンバーから「当日はOsmeña fuente circleの方が人が集まるだろう」という意見をもらい、さらに「コロンは悪い噂が広がりすぎているから、知り合いも来にくい」との指摘も受けたため“Sugubo Sentro近くの駐車場”を会場とすることに決定しました。
最初からイメージが悪い場所を会場に選ぶ必要は確かに無いな、と私自身考えを改めた次第です…
会場探しから学んだこと
というわけで、
会場は無事に決まり「何を屋台で売るのか」と「どのように売るのか」の2つの課題が残りました。
それらについては“屋台準備編”でお話するとして、今回の“会場探し”で学んだことをまとめます。
- ローカルの情報はネットのものはほぼ当てにならない。自分の足で情報を得るしか無い。
- 現地の情報に精通した日本人を頼ると効率的。
- 共通言語(英語)が出来ないと話にならない。コミュニケーションが鍵。
アクトハウスでコロナ明け発のイベント企画は“シヌログ屋台”ということで今回“会場探し編”をお伝えしました。
準備から怒涛のアナログ戦術で、当初は先が全く見えませんでしたが、会場さえ決まってしまえばあとはやるべきことを進めていくだけ。
メニューが売れる売れないは別として、とりあえず出店の目途を立てられました。
次回は「【中編】セブ島「シヌログ屋台」に日本人が出店?メニュー決め・必要備品の調達・たこ焼き作り特訓のリアル」をお送りいたします。
ではでは〜