セブ市はトータルロックダウンへ移行
セブ市は、新型コロナウイルス感染の増加に伴い、6月23日よりトータルロックダウン(Enhanced Community Quarantine)へと移行しました。
このECQ措置により、セブ市民は外国人居住者も含め全員が買出し、緊急時以外の「外出禁止」となります。さらに7/1にはECQの延長がドゥテルテ大統領により決定。3ヶ月以上続く世界最長のロックダウン措置は、まだまだ続きそうです。
なお、フィリピンで実施された過去のコロナ対策や情報についてはアクトハウス公式サイトでもまとめています。
関連記事『【毎日更新】セブ島での「新型コロナウイルス感染症」の対応と方針』(アクトハウス公式サイト)
フィリピンのコロナウイルス状況
まずはフィリピン国内の感染状況から。
6月30日時点で、フィリピンのコロナウイルス感染者数は下記の通りです。
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■フィリピン(人口:約1億人)
トータル感染者数 :37,514名
回復者数 :10,233名
■セブ島(人口:約300万人)
トータル感染者数 :5,494名
回復者数 :2,743名
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上記を見てみると、フィリピン全体で人口に対する感染率は「0.037%」とかなり低い数値です。また感染者数に対する回復率は「27%」と約3分の1の患者がコロナ感染したあとも回復を果たしています。
またセブ市では、フィリピン全体で人口に対する感染率は「0.18%」となり、フィリピン全体の数値よりは高いですが、依然として低い数値。また感染者数に対する回復率は「49.9%」と、コロナ感染者が回復する割合は、ほぼ半数にものぼります。
ECQへの移行は「セブ市」のみ
今回実行されたECQですが、じつは「セブ市」のみに発令されたもの。
セブ市と同じく感染が広がっていたマニラ首都圏を中心とする地区では、ECQよりも1段階規制レベルが下がったGCQ(General Community Quarantine)措置に留まっています。
各地域によって感染者数や状況が異なっており、フィリピン政府によって、その地域に合わせた個別具体的な規制措置が取られている状態です。セブ市は、フィリピン国内でもとくに感染者数の増加が顕著なため、今回はセブ市のみに厳しいECQ措置が敷かれることになりました。
下記が各地域の検疫レベルになります。
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◆ECQ
セブシティ
◆GCQ
マンダウエ(セブ島)
ラプラプシティ(セブ島)
タリサイシティ(セブ島)
ミングラネリア(セブ島)
コンソラシオン(セブ島)
マニラ首都圏
ベンゲット
カビテ
リサール
レイテ
オルモック
南レイテ
◆MGCQ
セブ州を含む、その他のRegion 7の地域
およびフィリピン全ての地域
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MGCQはGCQよりもさらに下がった「一番規制レベルが低い」措置。セブ市やその周辺地域、またマニラ首都圏などコロナウイルス感染者が増加している地域では、より規制が強い検疫レベルでの措置が取られています。もちろん、今後のコロナウイルス状況を見ながら、フィリピン政府による規制対策などは今後も変わる可能性があります。
セブ市のコロナ感染対策
セブ市では、感染拡大を防止するための対応策が各所で取られています。2020年3月初旬から、ドゥテルテ大統領を中心に市長や政府関係者によって、世界と比べても、とくに迅速で強力なコロナ防止策を実行してきたフィリピン。「街中」や「施設内」などあらゆる箇所で、日本とはずいぶん違うフィリピンならではの対策が次々と施行されてきました。
関連記事『日本と違う?セブ島の「街中」で見るコロナウイルス対策の徹底さ』
下記、今年3月から現在まで継続的に取られている対応策はご覧の通りです。
<コロナ感染に対する対抗策>
各建物、施設のエントランスでの体温チェック
各所での消毒用アルコールでの消毒
すべてのエリアでのソーシャルディスタンシングの実施( 2m以上の間隔を空ける)
政府から発行される外出用検疫パスを利用した住民の外出制限
外出時、人との対面時にはマスク着用
企業の従業員やスタッフはマスク着用を義務化
企業活動の営業制限や人数規制
モールや商店、レストラン等の一部営業の停止
世界でも特に厳しく強力な措置を取り続けてきたフィリピン。依然として感染者数は増加の一途をたどっていますが、感染拡大を予防するための対策が厳格に続けられています。もちろんアクトハウスでも3月初旬からアルコール設置やマスク、消毒用ハンドソープの配布などを実施。参加者の感染リスクを最大限に減らすために対策を講じています。
関連記事『【ロックダウン】アクトハウス建物で実施中のコロナウイルス予防策をレポート』
フィリピン状況は刻一刻と変化
フィリピン居住歴3年、ロックダウン下もずっとフィリピンに滞在していた筆者が感じたフィリピン政府の印象は、とにかく「迅速な対応」と「思い切った強行策」。ドゥテルテ大統領の剛腕によって、早期から強力な対策が実行されていましたが、その強行策ゆえに、ときに住民からは反感を買うこともしばしば。
一度施行された対策が翌日には撤回されるなどの事態も、このコロナ状況下では過去に何度かありました。刻一刻と変化する政府の対応、コロナ状況の中で、政府が次なる一手をどうするのか、引き続き注視しておく必要があります。