世界でも先駆けて新型コロナウイルスに対し全力で対策を実施してきたフィリピン。
もちろん、セブ島も例外ではありません。本記事では、IT留学スタッフとして3年ほどセブに滞在している筆者が、実際に当事者としてロックダウンを経験し、感じた印象や実際の街中の様子も含め、フィリピン・セブでの感染拡大に対する対応策を「時系列」で、まとめてご紹介しています。
なお、フィリピンで実施された過去のコロナ対策や情報についてはアクトハウス公式サイトでもまとめています。
関連記事『【毎日更新】セブ島での「新型コロナウイルス感染症」の対応と方針』(アクトハウス公式サイト)
2020年3月15日(土) メトロマニラ首都圏の封鎖
2020年3月20日(金) 全ての外国人の入国禁止措置へ
3月20日(金) にフィリピンロクシン外相が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、全ての外国人の入国を拒否する方針を表明。国内外で新規ビザ発給を一時停止し、外国人渡航者の入国を禁止にする措置が取られました。
またセブ市では住民の20時pm – 5時amまでの外出禁止やレストラン等の営業時間の短縮、クラブや居酒屋、パプなどの営業停止、アルコールの購入および販売の停止を実施。営業が許されている施設でも消毒と体温検査を徹底した予防策を実行しました。この時点では、ほとんどのレストランや飲食店、モールなどの商業施設は営業時間が短縮するものの営業していたため、街中はいつも通りの姿で、交通量もとくに変わらない状態でした。
2020年3月22日(日) セブ市で一部対象者に24時間外出禁止令
2020年3月25日(水) セブ市内の各レストラン、飲食店での飲食禁止
2020年3月28日(土) セブ州全域にロックダウン(都市封鎖)を発令
2020年4月15日(水) セブ市内のLuz地区にて大勢のコロナ陽性反応
2020年4月24日(金) セブ市でECQ(ロックダウン)延長
なおECQ措置が取られている4月中に、実際に筆者が、外出許可時間を利用して食料品買い出しに出た際にセブシティの街中を往来。ECQの下で営業中のお店を調査したレポート記事はこちら。
2020年4月28日(火) セブ市でアルコールの販売が解禁
2020年5月16日(土) セブ市でECQ(ロックダウン)延長
2020年5月29日(金) セブ市長により「ECQ→GCQ」に変更へ
2020年6月1日(月) セブ市が急遽「MECQ→GCQ」へ変更
5月29(金)に発表されたセブ市による声明の2日後、セブ市により急遽、6月1日(月)以降の制限について、「MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine)」への移行から「GCQ(General Community Quarantine)」へと変更するとの発表があり。これにより6月1日(月)以降は「GCQ(General Community Quarantine)」へと移行する形となりました。
しかしセブシティでは引き続き感染者が出ており、施行されるGCQの規制は他地域よりも厳しく設定されることに。具体的には、21未満の若者と高齢者は24時間の外出禁止となり、そのほかの住民も、夜10pm~朝5amまでは外出禁止となる制限等が取られました。また、外出時は引き続き「外出用ID」が必要になり、5月時の行動規制とほぼ変わらない印象。
ただしタクシー、ジプニー等の公共交通は運行可能がされ、移動の制限はかなり軽減されることに。しかし街中の風景はあまり変わらず、セブシティの住民はみな、感染しないために慎重に行動をしていました。
2020年6月16(火) セブ市が再び「ECQ」へと逆戻り
2020年6月23(火) セブ市が最も厳しいトータルロックダウン(新ECQ)へ
2020年7月1(水) セブ市のECQが延長、マニラはGCQへ
2020年7月7日(火) 2020フィリピン国民に対する海外渡航を制限付きで解除
「フィリピン国内から海外への渡航」
2020年7月15日(水) セブ国際空港にて新たにコロナ対策が実施
セブのマクタン国際空港では、新型コロナウイルス対策に対するフィリピン政府の対策により、
2020年7月15日ごろから、下記2点が実施する予定です。
❶空港内でのPCR検査(4,900ペソ自己負担)
全ての入国する外国人に対して、セブのマクタン国際空港内にてPCR検査の実施が必要となりました。検査には「4,900ペソ」を自己負担で支払う必要があります。リアルタイムPCR検査のエリアが設置され、一日で1500人から3000人検査できる体制を整えている状況です。
❷渡航2日前までに事前オンライン登録
全ての入国する外国人に対して、セブのマクタン国際空港に到着する2日前までに「オンライン申請」での手続きが必要になりました。全員専用の登録フォームから必要情報を記入します。登録時に取得した登録番号を、渡航時に空港内のイミグレーションに提示する必要があります。
(登録フォームはこちら→https://mactancebuairport.com/covid-19-registration)
外国人(日本人含め)のフィリピン入国に関して、依然として許可は降りておりませんが、政府による受け入れのための準備が少しずつ進んでいる状態です。
2020年7月16日(木) セブ市は一段階規制レベルが下がった「MECQ」へ移行
セブ市では7月16日(木)から、一番規制が厳しい「ECQ」体制から、1段階規制レベルが下がった「MECQ」へと移行されました。この体制は7月31日(金)まで続く見込みです。本規制により、1世帯に1枚配布された外出パスを持った人に限り、日用必需品の購入や緊急時の外出のみOKとなり、それ以外の目的による外出は原則禁止となります。また、18-21歳、60歳以上、免疫不全、合併症の健康リスク、妊婦は外出禁止となります。また一部の企業活動やショッピングモール営業も再開される予定です。ただし外出制限や外国人の受け入れに関しては今までと変更はなく、依然として厳しい制限体制のままとなっています。規制ルールはフィリピンん政府によってすぐに追加・変更の可能性もあります。
2020年8月1日(土) セブ市の規制が1段階緩和されたGCQへ移行
セブ市は8/1(土)〜8/15(土)まで、セブ市におけるロックダウン規制のレベルを「MECQ」から1段階規制レベルが下がった「GCQ」へと移行しました。これにより、MECQに比べて、より多くの業種で経済活動が再開される見通しです。各種飲食店やショップ、商業施設なども再開する可能性もあり、少しずつ緩和の方向に向かっている兆しも。フィリピン政府は引き続きコロナウイルスに対する検疫体制を継続させており、感染者が多い地域と少ない地域とで制限範囲を調整するなど、場所に合わせて柔軟な対応も実施しています。
2020年8月4日(火) 感染者拡大に伴い、メトロマニラ首都圏にて再び「MECQ」へ移行
新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い、8/4(火)から8/18(火)まで、フィリピンの首都メトロ・マニラ首都圏で「MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine)」の措置が再導入されました。本措置の間は、いままで営業が許されていた公共交通機関は再び停止されます。またレストランや理髪店、そのほかのショップなどの営業も停止。ただしレストランではテイクアウトのみの営業はOKとのことです。航空機も、国内線に関しては一時的にストップしています。街の各所には検問所が設けられ、食料品や必需品の買い出し以外の外出は原則禁止となっています。
2020年8月16日(日) セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市にて「GCQ」を延長
8月16日(日)から8/31(月)までセブ市、マンダウエ市、ラプラプ市などの都市についてGCQ体制を更新。セブ市は、8/4(火)からGCQ体制が継続されていたが、16日以降も引き続きGCQ体制が続く形となりました。ほかにヌエバエシハ州、バタンガス州、イロイロ市、タリサイ市、なども同じくGCQが継続。GCQでは、タクシーなどの公共交通機関などは許可され、レストランや商店、モールの営業も継続されています。レストランでは、テイクアウトだけではなく、イートインでの飲食も可能となっています。
2020年8月18日(火) マニラ首都圏にて「GCQ」移行
マニラ首都圏を含む4つの州(Bulacan、Cavite、Laguna、Rizal)において、7月から実施中の厳密な封鎖体制である「MECQ」を解除し、8月19日(水)から、より制限の緩い一般コミュニティ検疫状態(GCQ)に移行することになりました。公共交通機関も再稼働し、レストランの店内飲食も制限付きで認められる模様です。また夜間の外出制限も10時PM〜5時AMからの外出制限に緩和される見通しです。
2020年9月1日(火) セブ島全域で、より緩和された「MGCQ」へと移行
9月1日(火)からセブ市、マンダウエ市、ラプラプ市、セブ島、すべてのエリアにおいて「MGCQ(Modified General Community Quarantine)」へ移行しました。9/1時点の情報では、本体制は9月30日(水)まで続く予定です。レストランやショップ、食料品店やモールなどは夜10時まで営業が可能になりました。また新たにジムやマッサージ店などの営業が認められています。外出時、盛り物への乗車時はマスクとフェイスシールドの着用が義務付けられており、通行パスも引き続き必要とのことです。マニラ首都圏に関しては感染者の増大により「GCQ」措置が継続されます。
2020年9月19日(土) フィリピン政府が国家非常事態宣言を延長
フィリピン政府は、新型コロナウィルス感染拡大によって、国家非常事態宣言を2021年9月12日まで延長するとの発表がありました。この非常事態宣言により、財政出動や隔離措置、渡航制限などの判断をより速やかに行えるようになります。フィリピンでは2020年9月時点で、徐々に規制緩和を進めている段階ですが、引き続き感染者の増加が確認されており、外出中はフェイスシールドやマスクの着用が義務付けられるなどの感染防止策が取られています。
2020年9月29日(火) セブ市にて「MGCQ」の継続が発表
フィリピン政府より、セブ市における10月からの新たな検疫レベルが発表されました。10月からは9月と同様、引き続き「MGCQ」となります。期間は10月1日(木)から10月31日(土)までとなります。飲食店やスパ、モールなどの営業も再開しており、企業の経済活動も活発です。街には、交通や人の往来も多くなり、徐々に活気が戻ってきています。なおメトロ・マニラ首都圏は引き続き一段階厳しい規制措置がとられる「GCQ」が継続される見通しです。
JUST IN: Narito ang bagong quarantine classifications simula Oktubre 1 hanggang Oktubre 31. Papalawigin ang general…
2020年10月1日(木) ボラカイ島がフィリピン国内向けに観光再開
フィリピン政府より、セブ人気の観光地であるボラカイ島が「フィリピン国内のフィリピン人」向けに観光を再開する、との発表がありました。10月1日(木)から観光客を受入れを再開しています。なお、旅行する場合は、旅行の48時間前までに必ずPCR検査を受ける必要があるとのことです。今後も、セブ周辺の観光スポットであるボホール島などが順次観光客の受入れを再開させる予定であり、徐々に観光業についても再開の兆しが出てきている模様です。
2020年10月16日(金) フィリピン人の海外渡航を解禁
フィリピン国内のフィリピン人に向けた渡航制限の緩和です。フィリピン政府により、10月21日(水)からフィリピン人の海外渡航が解禁され、渡航規制がさらに緩和されました。今までは「ビジネス目的の渡航のみOK」で、その他の観光目的での渡航は制限されていましたが、21日以降は、必要書類を揃えるなど条件を満たせば観光やその他の目的でも渡航が許可されるとのことです。
2020年10月18日(日) セブ州にてフィリピン国内の観光規制を緩和
フィリピン国内のフィリピン人に向けた観光制限の緩和です。フィリピンセブ州知事は10月18日(日)より、フィリピン国内のフィリピン人向けに新型コロナ陰性証明の取得や、年齢制限を撤廃すると発表しました。州内観光を活発化させるための規制緩和となります。ただし観光ホテルや交通機関の予約バウチャーなどの提示は必要とのことです。
2020年11月30日(月) フィリピン政府が12月の新たな検疫レベルを発表
フィリピン政府は、12月のフィリピン各地におけるコミュニティ隔離措置をあらたに発表しました。マニラ首都圏全域は一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)が引き続き継続され、外出制限などが設けられます。セブ島は、修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置(MGCQ)が継続され、マニラより緩和された制限体制が継続されます。この措置は12月1日(火)から12月31日(木)までの間に実施されるとのことです。
2021年01月28日(木) フィリピン政府が、外国人渡航の一部規制緩和を発表
フィリピン政府は、2月1日(月)より、外国人の入国禁止措置を、一部緩和するとの発表がありました。目的があるビジネスマンや一部のVISAを保持している方、政府関係者や医療従事者、フィリピン人配偶者の方は、これにより、渡航することが許可される見込みとなります。ただし、渡航する際は、予め政府からの承認や許可証の発行が必要な点に注意です。またフィリピン国内でも規制緩和の動きがあり、外出時の年齢制限も緩和せれるそうです。
2021年02月8日(月) フィリピン政府が、外国人渡航の規制緩和(9A・SRRV等)を発表
フィリピン政府は、2021年2月16日から、有効なビザを持つ外国人の入国を許可することを発表しました。これによりSRRVリタイアメントビザ、9A(観光ビザ)等のVISAを持っている外国人のフィリピン入国が一部条件付きで許可される予定です。ただし入国するための条件として、「入国後に認定された検疫ホテルまたは施設で少なくとも6泊の隔離措置を実施すること(事前に個人で予約しする必要あり)」また「入国して6日目にPCR検査を受ける必要」もあります。宿泊代や検査費用に関してはすべて自己負担とのことです。
世界に目を向けると、2021年3月10日時点で、中国やヨーロッパで「ワクチンパスポート」なるものの開発が進められている段階です。ワクチン接種者の渡航往来が可能になる可能性がありますが、フィリピンにおけるワクチンパスポートの対応などはまだ未確定となっています。
2021年03月1日(月) フィリピンでワクチン接種開始
2021年03月1日(月)より、フィリピン政府のもと、新型コロナウイルスワクチンの接種が開始しました。ワクチンは、中国政府が提供した「シノバック」が開発したものを使用。接種は首都マニラにある6つの病院で始まり、フィリピン政府の閣僚や病院の医療関係者が次々と接種を受けていました。また、シノバックのほか、アメリカのファイザーやイギリスのアストラゼネカなどが開発したワクチンの接種も予定されていて、医療関係者を優先しながらことし中に少なくとも5000万人以上の接種を目指すとしています。
⬇参考サイト:日本経済新聞社「フィリピンでワクチン接種開始 シノバック製」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM011NG0R00C21A3000000/
2021年4月30日(金) フィリピン政府による外国人入国制限の解除
フィリピン政府は、新型コロナウイルスの感染急増を受けて実施している外国人の入国禁止措置を解除し、5月1日から入国を認めると発表しました。これにより、発給済みで有効な査証(ビザ)を保有する人が対象となります。
なお、入国に必要な条件は下記のとおりです。
(1)入国時に有効なビザを持つ外国人、または共和国法第676
(2)認定された検疫ホテル/施設で少なくとも7泊分の事前予約
(3)到着日から6日目に検疫ホテル/施設でのPCR検査を受け
(4)入国日の入国客最大受入人数にも左右される。
(5)4月27日に発行されたIATF決議第112号によって課
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1432d73a6624acbc4d5de3591ce882a6deda72c
フィリピン・セブのコロナウイルス関連情報を随時更新
政府の対応によって予防策や現地対応が次々と変化していくフィリピン。感染者が増加していく中で、経済活動を優先するのか、コロナウイルス感染予防策を徹底させるのか、いまも政府の対策がとられています。
本記事では、フィリピン・セブ島に関するコロナウイルス関連の最新情報を随時更新していきます。更新した情報は「時系列」順で並べていますので、フィリピンのコロナ状況を把握する一助として、ご参考いただければ幸いです。